営業職を10年以上続けてきて実際に仕事で使えた心理テクニックを紹介します。
「これは効果が凄かった、、、。」と思ったテクニックを集めました。
営業だけではなく職場内でも応用出来るものばかりなので是非使ってみて下さい。
読んで欲しい人
- 営業でお客様とコミュニケーションをとる仕事が多い人
- 社会人になったばっかりの人
- 職場内営業で有利に立振る舞いたい人
当記事のテクニックを使うことで今の仕事効率や信頼を勝ち取れます。
職場以外でも役立つはずです。
それではまとめます。
もくじ
ホーソン効果

ホーソン効果(Hawthorne Effect)とは、人々が観察されていると知っている場合、その観察が自分の行動に影響を与える現象のことです。
この効果は、1920年代にアメリカのハーバード大学の心理学者エルトン・ホーソン(Elton Mayo)が行った実験から名前がつけられました。
具体例としては、工場で働く従業員が、研究者が彼らの労働パフォーマンスを観察していると知ると、その従業員たちの生産性が向上することがあります。これは、従業員が観察されていると感じることで、自分の努力を強化しようとするためです。
この効果は、研究や組織の管理において重要な考慮事項となります。観察されていると知ることで、人々の行動が変わるため、その影響を適切に理解し、対処することが必要です。
スリーパー効果

スリーパー効果(Sleeper Effect)とは、あるメッセージが最初は効果が薄い、または全く効果がないように見えるが、時間が経つにつれてその効果が徐々に増していく現象のことです。これは特に説得力の低い情報源からのメッセージにおいて見られます。
具体例を挙げると、広告が一つの良い例です。例えば、ある製品の広告を見た時、
最初は「これは普通の広告だな」と感じて、特にその製品に興味を持たないかもしれません。
しかし、数週間後、友人がその製品について話したり、店でその製品を見かけたりすると、
最初に見た広告のことを思い出し、突然その製品に興味を持つようになることがあります。これがスリーパー効果です。
この効果は、情報が記憶の中で熟成されることで、最初に受けた印象が変わり、より肯定的に受け取られるようになるためです。
営業での応用例
- フォローアップメールやニュースレター: 定期的にフォローアップメールやニュースレターを送ることで、顧客があなたのメッセージを受け取る回数を増やします。初めは興味を持たなかったとしても、繰り返し接触することで、メッセージが徐々に浸透していきます。
- ブランド認知を高める広告: ソフトなトーンの広告を長期間にわたって露出することで、最初は気に留めなかった顧客も、徐々にブランドに対する認識が高まり、興味を持ち始めることがあります。例えば、テレビCMやインターネット広告で一定期間同じメッセージを流し続けることです。
- サンプルや無料トライアルの提供: 最初に無料のサンプルやトライアルを提供することで、顧客が製品やサービスを試す機会を作ります。初めはあまり気に入らなかったとしても、時間が経つにつれてその効果を実感し、最終的に購入につながることがあります。
黄昏効果

黄昏効果(Twilight Effect)とは、人が夕方や夜にかけて認知機能や判断力が低下しやすくなる現象を指します。
特に高齢者において、この効果は顕著に現れることがあります。この現象は、疲れや日中の活動によるエネルギーの消耗、あるいは日照時間の減少により影響を受けることが多いです。
この効果は、適切な照明の確保や、夕方の活動を軽減することで軽減することができます。
黄昏効果を営業の職種で活用する場合、その効果を理解し、逆に人々の認知機能や判断力が低下する時間帯を狙ってアプローチする戦略を立てることができます。
営業での応用例
- 夕方の商談設定: 夕方に顧客と商談を設定することで、疲労がたまって判断力が少し落ちている状態を利用し、提案内容がより受け入れられやすくなることを期待します。
- リラックスした環境の提供: 商談の場でリラックスできる雰囲気を作るために、落ち着いた音楽やアロマを利用することも考えられます。これにより、顧客がリラックスしやすくなり、より柔軟な思考が促進されます。
- 重点的なフォローアップ: 夕方や夜の時間帯にフォローアップの電話やメールを送ることで、日中の忙しさが終わりリラックスした状態でメッセージを受け取った顧客の反応率が上がる可能性があります。
ミルグラム効果

ミルグラム効果(Milgram Effect)とは、心理学者スタンレー・ミルグラムが行った「服従実験」に由来する現象です。
この実験では、参加者が権威ある人物(実験者)から指示を受けると、それが他人に対して痛みを与えるような命令であっても、従ってしまう傾向があることが示されました。
つまり、権威や信頼できる人物からの指示があると、人はその指示に従いやすくなるということです。
営業での応用例
- 専門家の意見を利用する: 権威ある専門家の意見を利用して、自社製品やサービスを推薦してもらうことで、顧客の信頼を得やすくなります。例えば、医療機器を販売する場合、著名な医師の推薦文や証言をマーケティングに利用することが考えられます。
- 信頼できるブランドや企業と提携する: 信頼性の高いブランドや企業と提携し、そのブランドのロゴや推薦をマーケティングに取り入れることで、顧客が安心して商品を購入しやすくなります。
- リーダーシップを示す: 営業担当者自身が専門知識を持ち、自信を持って説明することで、顧客に対して権威ある人物として認識されやすくなります。これにより、顧客は営業担当者の提案を信頼し、従いやすくなります。
系列位置効果

系列位置効果(Serial Position Effect)とは、人がリストの最初と最後の項目を中間の項目よりも覚えやすい現象を指します。
これは心理学者ヘルマン・エビングハウスが発見したもので、主に二つの効果から成り立っています:
- 初頭効果(Primacy Effect):リストの最初の項目が特に覚えやすい。
- 新近効果(Recency Effect):リストの最後の項目が特に覚えやすい。
具体的な応用例
- プレゼンテーションの構成:
- 初頭効果を利用:プレゼンテーションや提案書の冒頭に最も重要なポイントや価値提案を配置します。これにより、顧客が最初に重要な情報を記憶しやすくなります。
- 新近効果を利用:プレゼンテーションの最後にも重要なポイントや行動を促すメッセージを配置します。終わりの印象が強く残りやすいためです。
- 商品説明の順序:
- 顧客に複数の製品やサービスを紹介する際、最初と最後に最も魅力的な製品を配置します。これにより、顧客が重要な製品情報をよりよく記憶することができます。
- フォローアップメールの構成:
- フォローアップメールでも、最初と最後に重要な情報や行動を促す内容を配置します。例えば、メールの冒頭で提案のメリットを強調し、最後に次のステップや連絡先情報を記載します。
ゲインロス効果

ゲインロス効果(Gain-Loss Effect)とは、人々が他人の行動に対して感じる感情や評価が、その行動の変化によって強く影響される現象のことです。
誰かが最初にネガティブな行動を取り、その後ポジティブな行動を取ると、評価が大きく上がるという現象です。
逆に、最初にポジティブな行動を取った後にネガティブな行動を取ると、評価が大きく下がります。
営業での応用方法
1. 初めのアプローチ
- ネガティブな情報を先に伝える:例えば、価格が他社より少し高いことを先に伝えた上で、後から製品やサービスの大きなメリットや価値を強調することで、顧客の評価を上げることができます。
2. フォローアップ
- 改善策の提示:顧客が不満を持った場合、迅速に改善策を提供し、問題を解決することで、顧客の信頼を高めることができます。最初のネガティブな経験をポジティブに変えることで、評価が向上します。
3. 提案の構成
- ギャップを作る:最初にある程度の制約や欠点を伝えた上で、その後にそれを上回る大きなメリットや利点を伝えることで、顧客の期待感を超えることができます。
ハーディング効果

ハーディング効果(Herding Effect)とは、人々が集団の行動に従う傾向を指します。
つまり、他人が何かをしているから自分もそれに従うという現象です。これは特に不確実な状況や情報が不足している場合に強く現れます。
営業での応用方法
顧客の事例や成功例の提示:
- 既存の顧客の成功事例や導入事例をプレゼンテーションで紹介します。これにより、新規顧客も「他の企業が使っているなら自分たちも」という安心感を持ちやすくなります。
口コミやレビューの活用:
- 顧客からのポジティブなレビューや評価をウェブサイトやマーケティング資料に掲載します。多くの人が高く評価していると知ることで、他の人もその製品やサービスを信頼しやすくなります。
ソーシャルプルーフの提供:
- ソーシャルメディアでのフォロワー数や「いいね!」の数を強調することで、製品やサービスの人気度をアピールします。これにより、他の人々もその人気に乗っかろうとする傾向が強まります。
コンコルド効果

コンコルド効果(Sunk Cost Fallacy)とは、すでに投資した時間やお金が無駄にならないように、その投資を続けることを指す心理現象です。
この現象の名前は、巨額の費用をかけたにもかかわらず、経済的な成功を収められなかった超音速旅客機「コンコルド」から来ています。
人々は、すでにかけたコストに固執して非合理的な決定をしてしまうことがあります。
営業での応用方法
顧客の初期投資を強調する:
- 顧客がすでに製品やサービスに時間やお金を投資している場合、その投資を無駄にしたくないという心理を利用して、追加の製品やサービスを提案することができます。例えば、「既にこのソフトウェアのトレーニングを受けたので、関連するアドオンを導入すればさらに効率が上がります」というようなアプローチです。
長期契約の提案:
- 顧客に長期的な契約を提案し、最初の投資を回収するために継続的な利用を促すことができます。例えば、「初年度の割引を受けるには3年契約がお得です」といった形で、長期的な視点から提案することが考えられます。
アップセルのタイミング:
- 顧客がすでに製品やサービスに慣れている段階で、新しい機能やアップグレードを提案することで、既存の投資を最大限に活用するように促します。例えば、「この新しい機能を追加すると、既存のシステムとの連携がよりスムーズになります」といった具合です。
ディドロ効果

ディドロ効果とは、一つの新しい購入が他の関連商品の購入を促す心理現象のことです。
これは、18世紀のフランスの哲学者デニ・ディドロが新しいガウンを手に入れた後に、他の家具や衣服も新調しなければ気が済まなくなった経験から名付けられました。
営業での応用方法
関連商品の提案:
- 顧客が一つの商品を購入した際に、その商品に関連する他の商品の提案を行います。例えば、スマートフォンを購入した顧客に対して、ケースや充電器などのアクセサリーを提案します。
セット販売:
- 複数の商品をセットで販売することで、顧客が一つの購入をきっかけに他の商品にも興味を持つように促します。セット価格を少し割引することで、購入意欲を高めることができます。
クロスセル戦略:
- 既存の顧客に対して、現在利用している商品やサービスに関連する新しい商品やサービスを提案します。例えば、インターネットプロバイダーが既存のインターネット契約者に対して、ストリーミングサービスやスマートホームデバイスを提案することです。
ストループ効果

ストループ効果(Stroop Effect)とは、色の名前と色そのものが異なる場合、脳がそれを処理するのに時間がかかる現象を指します。
例えば、「赤」という文字が青色で書かれている場合、その文字の色を言うのが難しくなるというものです。ジョン・リドリー・ストループが1930年代に発見しました。
ストループ効果を営業で活用するためには、視覚的および言語的なメッセージがどのように顧客に影響を与えるかを理解することが重要です。以下の方法で活用できます。
営業での応用方法
視覚とテキストの一致:
- プレゼンテーションや広告において、視覚的な要素とテキストのメッセージが一致するようにすることで、顧客の理解と記憶を促進します。例えば、重要なポイントを強調する色とその意味が一致するようにデザインします。
注意を引くデザイン:
- ストループ効果を逆手に取り、意図的に視覚的な矛盾を作り出すことで、顧客の注意を引くことができます。ただし、これを多用すると混乱を招くので、特定の場面で効果的に使うことが重要です。
メッセージの強調:
- キャンペーンやプロモーションにおいて、視覚的な要素とテキストが一致するようにデザインすることで、メッセージがより明確に伝わります。例えば、割引情報を伝える際に、赤色を使って強調することができます。
ヴェブレン効果

ヴェブレン効果(Veblen Effect)とは、ある商品の価格が高くなるほど、その商品の需要が高まる現象を指します。
通常、価格が上がると需要は減少しますが、ヴェブレン効果が働く場合、価格が高いことがその商品のステータスや価値を示すと見なされ、人々はその高価格商品を購入したがるのです。
この現象は、アメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレンにちなんで名付けられました。
営業での応用方法
高価格商品の導入:
- 高価格でプレミアムな商品やサービスを導入することで、ステータス志向の顧客を引き付けることができます。これにより、顧客は「高価だから良いものだ」と感じ、購入意欲が高まります。
限定版や特別仕様の商品:
- 限定版や特別仕様の高価格商品を提供することで、希少性と高いステータスを訴求します。例えば、限定数の時計や特別仕様の車などがこれに当たります。
高級感の演出:
- 高級感を強調する広告やプレゼンテーションを行います。商品の品質や独自性、ブランドの歴史や伝統などを強調することで、商品が高価であることに対する正当性をアピールします。
カリギュラ効果

カリギュラ効果(Caligula Effect)とは、何かが禁止されると逆にそれに対する欲求が強まる現象を指します。
これは心理学的な現象で、禁止されたものが魅力的に感じられるため、より一層それを求めるようになるのです。
この名前は、古代ローマの皇帝カリギュラに由来しており、彼の統治時代の制約と反乱の歴史に関連しています。
営業での応用方法
1. 限定販売や希少性の強調
- 商品やサービスを「数量限定」や「期間限定」として提供することで、顧客に希少性を感じさせます。これにより、商品の価値が高まり、購入意欲を引き出すことができます。
2. 会員制や招待制の導入
- 特定の商品やサービスを会員制や招待制にすることで、一般の人々には手に入れにくいというイメージを作り出します。これにより、顧客はその限定的なアクセスに価値を見出し、より積極的に購入しようとするでしょう。
3. ティーザーキャンペーン
- 新製品の情報を一部だけ公開し、詳細は後日発表するという手法を用います。これにより、顧客の興味を引き付け、その商品に対する期待感を高めます。禁止や制約の要素を含むことで、期待が高まります。
初頭効果

初頭効果(Primacy Effect)とは、リストや情報の最初に提示された項目が、後の項目よりもよく記憶される現象です。
これは、最初に得られた情報が長期記憶に入りやすいためです。初頭効果は特にプレゼンテーションやリストの作成時に重要です。
営業での応用方法
1. プレゼンテーションや提案の冒頭に重要なポイントを配置
- プレゼンテーションや提案書の最初に、最も重要な情報や顧客にとっての価値提案を配置します。これにより、顧客はその情報を強く記憶し、理解しやすくなります。例えば、最初に「なぜこの製品が顧客にとって有益なのか」を説明します。
2. 営業トークの構成
- 営業トークを開始する際に、顧客が最も興味を持つポイントやベネフィットを最初に伝えることで、顧客の関心を引きつけることができます。例えば、「私たちのサービスは、あなたの業務効率を30%向上させることができます」といった具合です。
3. メールやメッセージの冒頭に重要な情報を配置
- フォローアップメールや営業メッセージの最初に、重要な情報や行動を促す内容を配置します。これにより、メールの内容が顧客の記憶に残りやすくなります。例えば、「今月限定の特別オファー」といった見出しを最初に持ってくることです。
ハロー効果

ハロー効果(Halo Effect)とは、一つの特性や特徴が全体の評価に影響を与える現象のことです。
例えば、誰かが魅力的であれば、その人の他の特性(例えば、知性や信頼性)も高く評価される傾向があります。
この効果は、第一印象が強く影響するため、ビジネスや人間関係において重要です。
営業での応用方法
1. 強い第一印象を作る
- 外見やプレゼンテーション:営業担当者が清潔でプロフェッショナルな外見を保ち、プレゼンテーションが洗練されていることで、顧客に好印象を与えることができます。この第一印象が、その後の全体的な評価にプラスの影響を与えます。
2. 高評価の商品やサービスを前面に出す
- 看板商品やサービス:評価が高い商品やサービスを紹介することで、そのブランド全体の評価を高めることができます。例えば、特に評判が良い製品をまず紹介し、その後に他の商品やサービスを提案します。
3. 信頼性のある人物の推薦を利用する
- 専門家や著名人の推薦:信頼性のある人物や有名人からの推薦を利用することで、製品やサービスの信頼性を高めることができます。これにより、顧客はその推薦者の評価をもとに、商品自体も高く評価する傾向があります。
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